ホルムス海峡閉鎖に伴う航空会社 旅行会社への影響


2026年4月現在のホルムズ海峡を巡る緊張状態は、航空・旅行業界に深刻な打撃を与えています。事実上の海峡封鎖や中東情勢の悪化により、燃油コストの急騰と供給不安が二大リスクとして顕在化しています。
主な影響を整理しました。
1. 航空会社への影響:コスト増と運休リスク
航空会社にとって、ホルムズ海峡の混乱は「燃料が買えない(届かない)」、「高すぎる」という死活問題に直結しています。
- 燃油サーチャージの大幅引き上げ ANAやJALは、2026年5月発券分からサーチャージを大幅に引き上げる方針です。特に日本発の欧米路線では、片道5万円〜6万円近い設定(往復で10万円超)が検討されており、過去最高水準に達する見込みです。
- ジェット燃料の供給不足と減便 中東からの燃料供給が滞り、欧州の主要空港では備蓄が残り数週間分(6週間程度)との試算も出ています。これにより、夏の旅行シーズンを前に大規模な欠航や減便を余儀なくされる懸念が強まっています。
- 飛行ルートの迂回 中東上空の飛行制限や安全確保のため、迂回ルートの採用による飛行時間の延長(14〜16時間超)が発生し、機材繰りや人件費のコストを押し上げています。
2. 旅行業界への影響:需要減退と機会損失
WTTC(世界旅行ツーリズム協議会)の試算では、この混乱による世界の旅行業界の損失は、1日あたり約960億円にのぼると報じられています。
- パッケージツアーの価格高騰 サーチャージの上昇分がそのまま旅行代金に反映されるため、特に海外旅行を検討していた層(卒業旅行やゴールデンウィーク利用客)が、国内旅行や近場のアジア圏へ目的地を変更する動きが出ています。
- 中東・欧州方面のキャンセル増加 情勢の不安定化を受け、ドバイやカタールを経由する「中東経由便」を避ける動きが加速しています。JALのドーハ線などで欠航・減便が報告されているほか、ヨーロッパ旅行全体の敬遠ムードが広がっています。
- 物流コスト増による「旅先」での物価高 原油高は現地の交通機関や宿泊施設のコストにも跳ね返るため、円安の影響と相まって「海外旅行が手の届かない贅沢」になるリスクが高まっています。
今後の展望
政府による燃油激変緩和措置などの補助があるものの、ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、航空各社の経営破綻や旅行インフラの縮小が現実味を帯びてきます。
特に、2026年5月〜6月発券分からはサーチャージの算定ルールがより「直近の価格を即座に反映する」形に前倒しされるため、旅行を計画されている場合は、発券のタイミングを慎重に見極める必要があります。
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